シンプルなAラインのOPに、衿もとのスタンドカラーと袖口カフスにフリル布をたたき付け、
シンプルで華やかな印象に仕上げました。
前のコンシールファスナー明きで着やすくなっています。
【着丈110 B108 裄丈76】
【カラー】
15.グラデーション藍8分割(36,000円)
16.4文人 蚊絣黒/白(40,000円)
17.チドリ 黒紺/白(40,000円)
山村かすり工房の藍染絣。絣の綺麗さでは定評のあり、藍染も工房内で行う機屋。この絣のタテ糸は60番手の双糸、ヨコ糸には21番手のスラブ糸(所々に節がある特殊な糸)の組み合わせの絣になります。細番手の糸をタテ糸に持ってくることによりしなやかさと軽さを兼ね備えた絣になっています。また、タテ糸のぼかしが施されている部分は数回に分けて濃度の異なる藍瓶で染めるためたいへん手間がかかります。また、そのぼかしが入った糸を8分割にしてバランスを取りながら経巻の作業をおこない織り上げたこの絣は細番手の糸と藍のグラデーションが美しくマッチした傑作です。
山下織物の文人絣。ヨコ糸の細かい絣模様は久留米絣の絣模様を作るときには「くくり」という作業を行わずに織貫(おりぬき)という作業で染め分けされた絣糸を使います。この工程で作られた絣は以前男物の着物(大島絣などの名称で呼ばれる)として全国に広く流通したそうです。現在では様々な用途で使われる大人気の生地になっています。山下織物はこの織貫を戦前、動力で作ることに成功し、その製法は特許を取り、それ以来代々受け継いできた歴史のある機屋です。
この絣は上記ヨコ糸にタテ糸を3mm程度の括りを使った絣に引掛けて伝説の蚊絣(蚊のような小さい絣)を彷彿させる絣になっています。クラシカルな雰囲気はシックでマニッシュな部分がシャープな印象を与える絣です。
冨久織物のヨコ絣。この機屋は親子夫婦4人が久留米絣の最高峰である重要無形文化財久留米絣技術保持者会の会員です。久留米絣の技術と芸術を網羅しています。
今回、千鳥格子を絣で表現するのに取り組みました。千鳥モチーフは日本の伝統柄でもありながら欧米では「猟犬の歯」を意味する「ハウンド・トゥースhound tooth」と呼ばれます。久留米絣で表現する場合、平坦にならないように1つの鳥柄を「ベタ」(柄になっている部分を全て括って表現)「すくい」(柄になっている部分を一段毎に括って表現)の交互で構成し抑揚をつけているのが特徴です。この絣のタテ糸は40番手の双糸、ヨコ糸には30番手の単糸の組み合わせは柄を際立たせる時に使用するときに使用する組み合わせです。
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